日本縦断 28日目
坊ガツルから大分市まで
朝は快晴で底冷えするかと思っていたが、空は早朝から若干靄がかっていて気温もぎりぎり霜が降りるかどうかぐらいの感じだ。靄でぼやけた三日月がぼんやりと佇んでいる。
5時半ごろに坊ガツルを出発。大戸越から男池に抜けるルートだ。大戸越から先は初めて歩くので少し緊張する。
45分ほどで大戸越に到着。平治岳周辺は九電の人達がボランティアで整備しているようでかなり歩きやすい。ここからは谷に沿って降っていく。谷を歩くルートは久住では珍しい。
道は歩きやすく歩いていてとても気持ちいい。湿度が高く、転がっている岩や倒木には苔がしっとりとひっついている。新緑は芽吹き始めたばかりだがじゅうぶんに森林浴を満喫できる。
特にこの谷で驚いたのは素晴らしい音響効果だ。様々な鳥達が鳴いていたが、とにかくその声の響き方が美しかった。思わず口笛で鳥の鳴き声を真似したりしたがとても気持ちよかった。
谷を降りてしまうと「ソババッケ」という原生林が生い茂る平地に出る。原生林の間にはくるぶし丈ぐらいの植物がみっしりと生えており、なんとも不思議な空間になっている。
この後の道はさらに歩きやすくなっていき、難なく男池まで着いた。久住にこのような所があるとは知らなかったので、今回山越えしてみてよかったなと思う。
登山口で少し休憩した後、由布市に向けて出発した。道路のナビゲーションはグーグルマップに頼っているが、最短ルートでナビゲーションしてくるので変な道を歩かされる事が多々ある。今日も変な農道を歩かされた。
由布市に近づいたところで、泊まろう考えていたキャンプ場の情報を詳しく調べてみた。するとどうやらオートキャンプのみしかやってないようで、区画料金含め3000円ぐらいかかるみたいだった。
さすがに3000円も払ってテントを張るのは癪だったのでここは諦める事にした。この先キャンプ場は無く泊まる場所をどうしようかと悩んだが、時間もあるので大分市内まで歩く事にした。
大分市中心の少し手前で空きのあるホテルが見つかったのでそこに泊まる事にした。ゴールデンウィーク中で6000円と少しお高い値段だったが、温泉付きだったので良しとした。
ホテルに着く前に寄った弁当屋さんで、男の人に声を掛けられた。大型ザックが気になったようだった。
歩き旅をしていてこれから四国に向かうこととかを話していたら、四国についての情報を教えてくれた。梅雨前の今の時期はお遍路をやっている人が多いとか、四国の人はお遍路をやっている人のおもてなしをしてくれるとか教えてくれた。
僕はけしてお遍路で四国に行くわけではないが、歩き旅をしている以上はお遍路と間違えられる可能性が高いと思う。
もちろんそのようなことがあったら誤解のないよう事情は話すつもりだが、そういった出会いとかがあるかもと考えてみると少し楽しみになってきた。
ホテルの温泉は濃いめの温泉でとても気持ちよかった。どうやら地元の人たちがよく来るようでローカル感の強い雰囲気だった。
明日は雨の中佐賀関まで突っ切り、そのままフェリーで四国まで上陸したいと思う。
歩いた距離・36㎞
使ったお金・7800円
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大分市から四国上陸まで