日本縦断 80日目
常念小屋〜南松本
今朝はテントが少し明るくなって目が覚めた。時間を見るともう朝の4時だった。昨日は夕方過ぎには寝ていたので、かれこれ10時間近く寝てしまった。やはり睡眠不足だったようだ。そのまま出発の準備を始めた。
5時20分、常念小屋から下山を開始した。思いのほか天気が良く山頂まで登ろうか迷ったが、下山後は松本まで30㎞を歩く予定なので諦めた。
一ノ沢までは沢沿いの道だ。しっかりと整備してあるので特に難儀することは無かったが、谷は深いので一歩間違えれば滑落する。ストックを使って確実に一歩づつ降りていった。
胸突八丁高巻き付近の沢は、残雪がまだしっかり着いていた。高巻きの道を歩いたが、どうやら沢の残雪を下っても良かったようだった。ここを過ぎると、だんだん道の斜度も緩やかになった。
沢沿いの道という事で、中腹以降は熊に出会わないよう周りを見ながら歩いた。熊笹もたくさん生えており、いかにも熊が住んでそうな雰囲気がする。熊鈴を付けていたが、沢の音が大きいので多分意味が無かった。
途中、登山客と出会った。熊の事を警戒していたので、思わず身体がぴくっと反応してしまった。出会った人は外国人で、身長がおそらく190センチ以上あった。
そのまま少し立ち話をした。今日は雷鳥を見に登って来たそうだ。人を見上げてお喋りするのはいつぶりだろうか?話を聞いている間、自分が幼くなったようだった。
8時20分に一ノ沢到着。無事、熊には出会わなかった。トイレで軽装に着替えて、今度は松本市内を目指す。天気はまだまだ問題無さそうだ。
お腹が空いていたので、最初の下りがとても疲れた。14㎞歩いてようやくコンビニに出会ったので、ここでパンを買ってカロリーを補給した。
途中、道端で見慣れない大きなたんぽぽみたいな植物があった。すでに種を飛ばす状態だったが、かなり大きい。いったいどんな花を咲かせてたのか気になった。
田んぼの上でトビがカラスに追いかけられていた。この光景何回見ただろうか。トビはああ見えて気が弱そうだ。追いかけられているときはとても情け無い声で鳴く。
松本には夕方ごろたどり着いた。新しい靴に慣れてないのか、足にマメが出来そうになっている。明日は諏訪湖の先まで歩く予定。
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