ホテルを出たのは、ちょうど９時ごろだった。ロビーを出た瞬間、とても爽やかな風が身体を通り抜けた。昨日の天気とは打って変わり、今日はとても素晴らしいお天気だった。透き通った青色の空がとても清々しい。

途中、郵便局に寄った。６月からスリランカに旅立つ友人へギフトを送るためだ。送ったギフトは、この旅で出会った一冊の本である。このブログでも一度紹介したと思うが、星野道夫の「旅をする木」という本だ。

この本は愛媛県の登山用品店クロスポイントの店長から勧めてもらった本で、最近読了したばかりだ。星野道夫の写真は見た事があったが、文章に触れたのは初めてだった。彼の優しい文章で綴られる、アラスカでの様々なエピソードは、こころをとても穏やかにしてくれる。

人生で初めての旅で、初めて出会った素晴らしい本。読み終わった後、最初は旅の記念として手離したくないなと思った。しかし、近く旅立つ友人の事を想ったときに、せっかくならその人に読んで欲しいと思った。

そんなわけで、僕がこの旅に手にした本が旅立っていった。友人がこの本をスリランカに持っていくかは分からないが、もしそうなったら嬉しいなと思う。自分が手にしたものが異国に飛んでいくのだから、ワクワクしてしまうからだ。

そして、その友人にはひとつお願い事をしといた。本を読み終わったら、その本をほかの旅人に渡してください、と。この本がいろんな人、場所を旅してくれたらいいなと願っている。

とまあ、本の話はこの辺にしといて、今日はとにかく歩くのが気持ち良かった。昨日はあんなに重かった身体に、羽が生えたようだった。

日本海の青色は相変わらずとても綺麗だ。沖に行くにつれて深まる青色のグラデーションがとても素晴らしい。僕が海辺に住むとしたら、日本海沿いの海の綺麗な所に住むと思う。

夕暮れ時、小浜市の古い商店街を歩いた。とても静かで、不思議な心地良さのある通りだった。どこか人の気配を感じる古い建物達が、僕を懐かしい気分にさせていたのだと思う。

歩いた距離・３５㎞

使ったお金・１７００縁