日本単独歩行記

ただの歩いた記録

日本縦断 76日目
長野県中房温泉 停滞

本日は雨天の為、停滞することにした。西から低気圧が近づいており、明日もおそらく動けないだろう。

今日はテントの中で、サン=テグジュペリの「人間の土地」を読んだ。この本は郵便航空路の開拓時代を生きたサン=テグジュペリのエッセイ集だ。サン=テグジュペリの文書に癖があるのか、堀口大學の訳に癖があるのか、結構読むのが大変だった。

当時の飛行機は今のそれと比べるととても脆弱で、故障や事故が頻発してたそうだ。その為、サハラ砂漠に不時着することもしばしばあったそうだ。サン=テグジュペリ自身も、砂漠に不時着し遭難した経験を持っている。

そんな、明日死ぬかもわからないような仕事をしていたサン=テグジュペリやその仲間たちの精神や感覚みたいなものが、この本にはたくさん描かれている。

しかし、その精神や感覚を、すんなりと自分の心や感覚で受け止められない感じがした。おそらく、現代人の精神や感覚からは、かけ離れ過ぎているものなのだろう。もしかすると、その時代においても特異な感覚だったのかもしれない。

そう言った意味では、物事を見るうえで新たな視点というものに気づかせてくれる作品だと思った。正直、自分の中でも落とし所を見つけるのにはまだまだ時間がかかりそうだ。

明日も雨と風でどうせ動けないので、ゆっくり考察でもしてみようかと思う。



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