日本単独歩行記

ただの歩いた記録

日本縦断 43日目
香川県坂出市〜女木島

最近夜の気温が中途半端で、寝格好が落ち着かない。昼間汗をかくような気温になってきて身体もベタついて気持ち悪いので、余計に快眠を妨げてしまう。毎日キャンプするには嫌な季節になってきた。

今朝は棒ラーメンがひと玉余っていたので、それを朝ごはんにした。パッキングを済ませたあとはコンビニに寄ってパンをひとつ購入。それを棒ラーメンのお口直しとした。

今日の目的は女木島の無料野営場でキャンプファイアーをすること。無料のキャンプ場でキャンプファイアーもOKとか聞いたことなかったので、これは行くしかないと思った。

まずは船着場のある高松港を目指すが、その前に本屋さんに寄ることにした。星野道夫の「旅する木」という本を入手するためだ。この本もクロスポイントの店長に勧められていた。焚き木の音を聞きながらこの本を読むという魂胆だ。

幸運にも一発目に入ったブックオフで見つかった。安く手に入ったらラッキーかなぐらいの感じで諦め半分だったが、まさか見つかるとは。もう運命としか言えない。

本が無事見つかったので、あとはまっすぐ高松港まで歩いた。昼頃港に着くと北風が少し吹いていて、日陰は結構肌寒かった。ちなみに今日はうどんは食べなかった。

船に乗る前にスーパーまで晩飯の買い出しに行った。今日はいつもよりお酒を一本多く買った。存分にキャンプを楽しむ所存である。

現在芸術祭の期間中なので船に乗る乗客は多いが、キャンプ装備で船に乗ったのは僕一人だった。これはもしかすると貸切かもしれない。

20分ほどで女木島についた。無料のキャンプ場だが一応受付をしないといけないとのことなので、鬼の館という建物で受付をした。どうやらゴールデンウィーク以来キャンパーは来てないようだ。しめしめ。

キャンプ場までは港から約2㎞歩いたところにある。沢山いた観光客も途中でどっかに行ってしまい、僕ひとりだけが海岸線を歩いていた。海も浜も綺麗でとてもいいところだ。

キャンプ場は浜から少し山の方に入ったところにあった。海は見えないがとても静かで、山のほうから聴こえてくる鳥の鳴き声がなんとも心地よい。一本大きな木が生えていたのでその下にテントを張った。

あとはキャンプファイアーの準備を整えるのみ。キャンプ場脇には焚き物が沢山置いてあった。どうやらこれらを自由に燃やしていいようだ。まずは火口になりそうな枯れた松の葉などを集めた。

その後、小枝を拾い火口の周りに立てかけた。ここからは焚き物の小さいやつからどんどん組んでいった。最後に大きいやつを立てかけたら完成だ。キャンプファイアーを一人でやるのは初めてだが、何となくそれっぽくはなった。

あとは夕方までやる事が無くなるので、ブログを書いたりケーナを吹いたりしてた。このキャンプ場は意外と虫が少ないのも良い。

ようやく日の入り間近になってきた。正直ちゃんと燃えてくれるか自信がなかったので、まだ視界が利くうちに火をつける事にした。ライターで火口に直接火をつけた。

予想していたより火のつきはよかった。というか良すぎた。乾燥した落ち葉や松の葉はあっという間に燃え上がり、そのまま組み上げた焚き物を巻きこみ大きな火柱となった。こうなるならもう少し暗くなってからやればよかったと後悔した。

まずはキャンプファイアーに乾杯をしてビールを飲む。キャンプファイアーを目の前に見ながらビールを飲むというのは初めてかもしれない。それにしてもよく燃えている。

あとは晩酌をしながら焚き木を楽しんだ。「旅をする木」のページをめくってみる。少し読んで、こんな夜にピッタリの文章だと直感した。

パチパチと響く火の粉の音。ゆらぐ炎は穏やかにテントを照らし、ジーっと鳴く虫の声が初夏の訪れを感じさせる。ああ素晴らしい夜だこと。

もうあとはこの夜をひたすら満喫する。今からウイスキーをちびちびやるのである。おやすみなさい。

歩いた距離・20㎞

使ったお金・2500円

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