日本単独歩行記

ただの歩いた記録

日本縦断 39日目
愛媛県新居浜〜四国中央市

今朝は遅めに起きてホテルのチェックアウトの時間までのんびり過ごそうと思っていたが、一度身に染みた生活リズムは崩れないものだ。5時前には目が覚めてしまった。

一応10時までのんびりできたが、結局出たのは8時過ぎ。もともとじっとしているのが苦手な性分てのもあるが、今はとくに歩いている方が落ち着く。

今日は完全休養日というわけでもないが、歩く距離は少なめでいく予定。5日間の縦走の後なのでさすがに疲れは出ている。

朝ごはんのパンを買う為にホテルを出てすぐのコンビニに寄った。買い物をすませ、朝食にしようとコンビニの横にまわると、大型ザックを置いて休憩している男の人がいた。ザックの横になにやらお経のような文字が書いた棒をたててあったので、ああお遍路さんか、とすぐに分かった。

今回の旅で初めて会った、同じ歩き旅人。挨拶を交わすとごく自然に会話が始まった。

話を聞くとこの方も日本を旅している途中との事だった。お遍路が終わったら九州まで徐々に移動していって、鹿児島からは島伝いに日本の西端まで行くそうだ。石鎚山にも登ってきたという事で、あの辺でヘビを沢山見ただの共通の話題で盛り上がった。

その後その方と方向が一緒だったので、少し一緒に歩いた。今までずっと一人で歩いてきたので、一緒に歩く人がいるというのはとても新鮮に感じる。3㎞ほど歩いてからお別れをした。

その後しばらく歩いて町に出たところで、二人目のお遍路さんと出会った。この方も男性で、歳は70近いそうだ。しっかりとした足取りで歩く姿はとても70歳には見えなかった。

この方はお遍路フリークで、今回で5回目とか言ってた。正直、そんなに同じところを何回も歩いておもろいのか?と思ったが、好きでやっている事ならしょうがないよね、という事で理解した。

さすが5回目という事でお遍路の歴史などには詳しい。お遍路にまつわる話をいろいろしてくれた。いきなり横にガイドがついたみたいで面白かった。

僕の目的地に到着したので、そこでその方とお別れした。着いたのは登山用品店の「クロスポイント」。ガスが切れそうになっているので、ガスを調達する目的でお店に入った。

お店に入ると僕を見た店長がすぐに声をかけてくれた。85リッターザックを背負ってお店に入ってくる人もなかなかいないだろうし、僕も逆の立場だったら速攻声をかけると思う。

とりあえずこの85リッターザックを背負っている理由を説明する。すると「そういう事ならゆっくりしていきなよ」と言ってコーヒーを一杯入れてくれた。お店の奥にあるカウンターでひきたてのコーヒーを美味しく頂いた。

カウンターの裏っ側には本棚があり、登山の本はもちろんだが、写真の本や美術系の本がズラリと並んでいた。最近、美術に対する興味が湧いていたので、この本棚はとても魅力的で輝いていた。

店長はドイツで美術を学んでらした方で、その他にも世界を旅して回ったりしていろんなモノを見ている人だ。写真の話や旅の話、美術の話とかいろいろなお話をしてくださった。

この日はこの後近くの公園でひっそり寝ようと思っていたが、店長のご厚意でお店で寝れる事になった。しかも夜はバーベキューをするという事になってお肉やビールまでご馳走になってしまった。

バーベキューではお店の常連さん何人かも合わさって、いろいろおしゃべりしたりととても楽しい時間を過ごす事ができた。もういたせりつくせりで本当に有難い限りだった。

店長からはおすすめの美術館なども教えて頂き、これから続く旅で行きたい場所が増えた。せっかくなので行ける場所には行ってみようと思う。

とりあえず次は直島に行ってモネの睡蓮を見に行こうと思う。芸術祭で人は多いかもしれないが、旅中にそういった美術品を見ることでなにか感じるものがあるかもしれない。

歩いた距離・20㎞

使ってお金・2600円

最高の図書館 クロスポイント
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