日本単独歩行記

ただの歩いた記録

久住連山
2019年3月8~9日

もう今年は雪は降らないだろうなあと思っていところ、山では雪が降っているという情報が耳に入った。天気図を確認すると冬型の気圧配置が強まっている。

ならばということで、早速スーパーで食料を調達し、テントもろもろザックに積めおなじみの久住に向かった。

山行1日目

行程

  • 牧ノ戸峠(5・10)
  • 星生山(7・10)
  • 久住山(8・50)
  • 天狗(9・30)
  • 中岳(9・55)
  • 稲星(10・35)
  • 白口(11・25)
  • 坊がつる(14・00)

天候

  • 天気・快晴
  • 気温・-4~0
  • 風・朝のうち北西の風5~8mのち静穏

行程詳細

牧ノ戸峠~星生山~久住山

車で登山口に向かっている途中瀬の本高原あたりでは雪が見られなかったので、ほんとに雪が降ったかどうか少し心配になった。牧ノ戸峠につくと駐車場にはしっかりと雪が積もっていたのでほっとした。

積雪は登山口で4~5㎝程度。駐車場の白いラインがすっかり隠れていたので、足で雪をどけ駐車位置を確認して車をバックで止めた。星生の尾根を歩くことにしていたので、アイゼンをはいて出発した。

現在使用しているアイゼンがなかなか爪の長いものなので、積雪量が少ないと爪が地面にあたって歩きづらい。「せっかくなのでしっかりしたものを」と2018年の冬に購入したペツル製のものだが、久住山では明らかにオーバースペックである。

扇ヶ鼻分岐手前までは雪下の地面近くがみぞれ状で水分が多かった。おそらく最初は雨もしくはみぞれが降っていたものと思う。星生山の尾根に上がってからは乾いた雪だった。

扇ヶ鼻分岐から星生の尾根に向かうと、尾根の取りつき付近で動物の足跡が見られた。足跡の先に続く獣道の大きさを見る限り小動物のようだ。星生山前の尾根にも足跡はあったので割と標高の高いところまで動物が来ているようだ。

あとでその足跡の形を調べてみたところ、野兎の可能性が高い。なにかおいしい食べ物でもあるのだろうか?動物たちも雪遊びをしに稜線まで上がってきたのだろうか?と勝手な想像を楽しみながら歩いた。

しばらく歩いて星生山に到着。すでに日は登っており雪が張り付いた山肌を照らしている。とてもまぶしい。

星生山からの景色が美しかったのでザックからカメラを取り出した。この日はトレーニング目的でとして大船~平治まで足を運ぼうかと思っていたが、写真を撮りたくなったので中止とした。

星生の尾根は風が強いので吹き溜まり以外はあまり雪が乗らないし、岩がむき出しになっている個所が多い。アイゼン歩行には割と気を遣う個所である。

このアイゼンで初めて星生の尾根を歩いたときは、爪が長いうえ岩が多いのでかなり苦戦したのを思い出す。とにかくゲイターをビリビリ破いた。

その時に比べたら大分岩場でのアイゼン歩行も安定してきたと思う。いつか積雪期の北アルプスの稜線を歩くときに活きればいいと思う。※いまのところその予定はまったくない

星生の尾根では風もそこそこ強かったが、久住山頂付近では風もだいぶ収まってきた。天気は非常によろしい。

久住山~天狗~中岳

御池は北側の淵が少しだけ凍っているだけでほぼ融けてしまっている。今年池を歩いて渡れたのは一回のみ。その時も、真ん中付近まで行くのがあやしかったので淵をゆっくり歩いただけだった。

今年池があまり凍らなかったのは暖冬の影響が大きいと思うが、地球温暖化の影響というのも気になるところである。自分が年老いたころには九州では雪が見られなくなるのでは?と思えるほど年々気温があがっている気がする。

小学校のころは雪が積もった日は1・2時間目が自由時間となり、手がキンキンになるまで校庭で遊んだ。とても楽しい思い出だ。なんなら今もこうやって雪山に登って遊んでいる。

僕にとってその遊び要素の一つなくなってしまうことはとても寂しいことだしとても大きな変化だ。その変化というのが僕が生きている間に十分起こり得そうなのでとても心配にもなる。

とかいろいろ考えているうちに中岳に着いてしまった。

中岳~稲星~白口岳

中岳からの少し急な登山道を下り、少し登れば稲星に着く。稲星山頂には一つ大きな岩の塊があるだけで、草木もほとんど生えていない。石ころについた霧氷と茶色い地面のパターンが模様のように地面に広がっている。

白口岳に着くころには地面の雪も解け始め、気温も上がってきた。白口山頂でしばらく休憩しながら景色を眺めた。稲星山の上に雲がぽかぽかと浮いておりとても気持ちよさそうだった。

白口岳~坊がつる

白口岳直下は、ちょっとした岩場みたいになっているので慎重に降りた。白口岳~鉾立峠の中腹あたりで地面がゆるくとても歩きづらい箇所があるが、雪が降ると逆に歩きやすくなるのでよかった。

鉾立峠に到着すると70代ぐらいの男女5人組くらいが休憩されていた。鉾立峠は開けていて見晴らしがいいので休憩するには気持ちい場所だ。西側を見るとさっき降りてきた白口岳がなかなかの勢いでそびえたっている。

アイゼンを脱いで少し乾かした後、のんびり坊がつるまで歩いた。

坊がつる 夕方

14・00頃坊がつるに到着。坊がつるは雪解け水で水たまりがたくさんできていたので、水はけのよいところを選んでテントを張った。地熱の影響か地面がカチコチになることもないので冬場でもペグが打ちやすいのが良い。

テントを張った後は、テントの中が程よく温かかったので少し昼寝をした。

夕方に起きて、写真を撮りながら少し散歩した。日が落ちてきてからはカメラを三脚に乗せておき、晩御飯の準備をした。今回鍋にするかおでんにするか悩んだが、準備をするのがめんどくさかったのでパックのおでん(2人前)を持ってきた。つゆごとパックされているのでザックは重くなるが、温めるだけなので楽である。

ちょうど夕日が大船を照らしていたので、時々カメラのシャッターを切りながら、おでんと法華院山荘で買ったエビスビールをいただいた。日が落ちた後は残照により照らされたグラデーションカラーの空が素晴らしく、ビールを飲みながらしばらく眺めていた。

山行2日目

行程

  • 坊がつる(9・15)
  • 千里が浜(10・05)
  • 避難小屋(11・10)
  • 牧ノ戸峠(13・05)

天候

  • 天気・晴れ
  • 気温・-4~1
  • 風・南寄りの風3~4m

坊がつる 朝

早朝4・00頃一度目が覚めた。トイレに行こうと思い外に出ると、空には星が輝いていた。写真でも撮ろうかと思ったが、あまり気も乗らなかったのでトイレを済ませて再びシュラフにもぐりこんだ。

次に起きたのは8・00前で、外を見ると太陽が三俣山を照らしていた。テントとシュラフを乾かしたかったので、テント場に陽があたるまで散歩したり少しのんびりした。

テントとシュラフが乾いたのち、パッキングを済ませ9・15頃坊がつるを出発した。

坊がつる~避難小屋

雪は融けてきてゆるくなっていたのでアイゼンは履かずに歩行した。とても天気が良く太陽もすでに春の日差しであった。気温が上がりそうだったので、千里が浜の入り口までは長そでTシャツで歩いた。

千里が浜に出たら結構風が強く寒く感じたので、すがもりを過ぎたあたりでシェルジャケットを羽織った。気温自体はおそらく氷点下いくかいかないかくらいだろう。

空を見上げると筋状の雲がいくつか発生しており、飛行機雲もスーッと伸びていた。上空の空気に水分が多い証拠である。こういった日は、ハロや環水平アークが出現する可能性が高い。案の定太陽を見上げるとうっすらとハロが出現していた。

避難小屋までの登りの登山道は思ったほど雪が積もっていなかった。避難小屋前は雪が解けて半分水たまりのようになっている。土曜日なのでたくさんの登山者が休憩していた。

避難小屋~登山口

避難小屋ですこし休憩したあとはのんびり下山した。道は雪が解けてぬかるんでいるが、ほぼ平坦なので全く問題はない。登山口手前の舗装路に雪がちょこちょこ残っていたのでそこだけ注意して歩いた。

感想

おそらく今回こそ今シーズン最後の雪だと思う。※また予想が外れたらうれしいが

まあ雪が降ったといっても日差しと空気はもうすっかり春の雰囲気であった。沓掛山付近の山肌もすでに緑色がかってきたように見えたので新緑の季節はいつもより近いかもしれない。

※記事に記載してある登山情報は一個人の経験及び記録、記憶がもとになっております。
登山においては個人の体力・技量・気象条件等によって登山にかかる労力はそれぞれ変わってきます。当サイトにおける登山情報はあくまで参考程度とどめるようお願いします。
夕日に照らされる大船
夕日に照らされる大船

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